My Kid’s Visionは、お子さんが近視になるリスクを評価し、管理するための無料オンラインツールです。

近視(近眼とも呼ばれます)は、親御さんにはぜひ知っておいていただきたい目の病気ですが、ご存じでない方もいるかもしれません。

ここでは6つの質問による評価を行い、お子さんが近視になるリスクまたは近視が進行するリスクに応じてアドバイスします。

近視とは?

近視とは遠くがぼやけて見える症状で、「近眼」とも呼ばれます。近視の人は、本を読んだり携帯電話を見たりするときのように、近くの物ははっきりと見ることができますが、黒板やテレビを見るとき、運転中などは文字や物がぼんやりとしか見えません。

文部科学省学校保健統計調査によると、日本では、小学生の近視の割合が30年間で2.3倍になっています。子どもの近視は小児期を通して進行する傾向が強く、近視の度数が強いほど、成人してから目の病気になるリスクが高くなります。お子さんが既に眼鏡をかけている場合、視力が悪くなるのを防ぐためにできることがあります。お子さんが眼鏡をかけていない場合は、近視になるリスクを評価することができます。

  • 近視は小児期に眼球が急速に成長することによって、または成人期に再び成長し始めることによって起こります。

  • 小児期に発症する近視の多くは眼球の成長が早すぎる、または通常であれば眼球の成長が止まるはずの10~12歳を過ぎても成長が続くことが原因となっています。このような過剰な成長には、遺伝、環境、生活習慣などが関係していると考えられます。

  • 年齢の低い子どもの目はより早い速度で成長するため、子どもの年齢が低いほど近視の進行は早くなります。そして、より強度の近視、より強い度数の眼鏡、目の病気になるリスクがより高くなることに繋がります。

  • 成人期に発症する近視は通常、大学の勉強など、近くを見る作業が急激に増えることによって、ピント調節筋(毛様体筋)が凝り固まり、その状態が定着してしまうことが原因です。

なぜ近視が問題なのか?

  • 近視は世界中の子どもたちの間で増加しています。日本では、1986年から2016年の間に小学生の近視の割合が2.3倍になっています。

  • 近視になる平均年齢は低くなってきています。近視になる年齢が低いほど、強度近視になる可能性や次のような目の病気にかかるリスクが高くなります。

  • 網膜剥離 – 目をカメラに例えると、網膜はフィルムに当たるものです。その網膜がはがれてしまう病気です。はがれた位置によって、像が歪んで見えたり失明したりします。

  • 近視性黄斑変性症 – 視野の中心に濃い染みがあるかのように、中心部がぼやけて見えます。

  • 緑内障 – 眼圧の上昇により周辺視野が欠けてしまいます。ほとんどの人がかなり進行するまで症状に気が付きません。

  • 白内障 – 目の中心にある水晶体が濁り、曇りガラスを通したように見えます。

  • 近視の人が生涯、眼鏡やコンタクトレンズを使い続けた場合、その費用は500万円を超える可能性があります。強度近視になると生活の質(QOL)が低くなり、眼鏡やコンタクトレンズで視力矯正するためによりお金もかかります。

近視になる原因は?

  • 近くを見る作業(読書、コンピューターゲーム、スマートフォンやタブレットを使うなど)が長いと近視になると言われています。

  • スマートフォンやゲーム機などは小さいお子さんでも簡単に使えますが、年齢が低い頃から近くを見る作業が増えることになります。

  • 近視は遺伝する可能性があります。また、人種や家庭環境もリスクを増加させる可能性があります。

  • アジア人はより早く近視が進行する、また、世界的にもアジア人の近視発症率は高いという研究結果があります。

  • 近視の発症のリスクは、片親が近視の場合は3倍、両親とも近視の場合は6倍になります。

  • 親が高学歴の場合、子どもが近視になる可能性がより高いという研究結果もあります。

  • 低矯正あるいは過矯正(適切な度数の眼鏡をかけていない、または本来必要なのに眼鏡をかけない場合)は近視の発症を促進し、近視の進行を加速させると言われています。

近視を予防または遅らせるためには?

  • 完全な近視になる前に、早くその兆候に気が付くことができれば、近視の発症と進行を遅らせることができます。

  • 子どもは学校以外で1日に3時間以上、近くを見る作業(読書、宿題、コンピューターなどの画面を見るなど)を行うべきではありません。

  • コンピューターを使用する際は、目が疲れないよう適切な位置に画面を置きましょう。そして、20分おきに休憩を取り、20秒間部屋の中を見渡すようにしてください。

  • スマートフォンによるメールやSNS、読書、ゲームは子どもたちや10代の若者の間で盛んです。しかし、画面をあまりに長く見続けることは、近視やドライアイの原因になるばかりでなく、紫外線によるダメージと同様に、成人期における目のダメージや病気のリスクを増加させます。

  • タブレットやスマートフォンが発するブルーライトは、長期的な目の健康を損ない、睡眠に影響を及ぼします。子どもが画面を見る時間をどの程度制限するべきかについてのガイドラインはまだ整備されていませんが、子どもも大人も寝る前の3時間はこれらのデバイスを使用しないことが望ましいです。

  • 1日に90分以上、屋外でスポーツをしたり遊んだりすることで近視のリスクを下げることができます。外でタブレットやスマートフォンを見ることは含まれません!

  • 屋外で光を浴びることが近視の発症や進行を遅らせるのに有効であることも実証されています。ただし、紫外線対策のために、帽子はかぶりましょう。

お子さんが既に近視の場合

  • 現時点で近視の進行を遅らせるための最良の視力矯正方法は、特殊なデザインのコンタクトレンズやオルソケラトロジーと言われています。

  • 特殊なデザインの眼鏡も、近視の進行を遅らせるうえで有効であることが研究によって示されています。コンタクトレンズほどの抑制効果はありませんが、斜位などの問題のあるお子さんには効果があるようです。

  • アトロピン点眼薬も近視の進行を遅らせることができると言われています。

参考情報

My Kid's Vision blog は、近視に関する最新の研究や、診療現場で得られた近視治療に関する役立つ情報をご覧いただけるウェブサイト(英語サイト)です。

Myopiaprevention.org 研究論文へのリンクなど、近視に関する豊富な情報をご覧いただけるウェブサイト(英語サイト)です。

日本近視学会、及び 近視研究会は、近視に関する豊富な情報をご覧いただけるウェブサイトです。

当ウェブサイトについて

My Kid's Visionはオーストラリアのポール・ギフォード(Paul Gifford)先生とケイト・ギフォード(Kate Gifford)先生によって開発された情報ツールです。Myopia Profile というオプトメトリストのためのオンラインツールを開発する中で、親御さんが近視について正しく理解し、お子さんのためにどう対応すればよいか知ることがいかに大切かということに気付き、このツールを開発しました。 (オプトメトリストとは「検眼士」または「視力測定医」と訳され、屈折検査など視機能に関する総合的な仕事を行う専門職です。欧米諸国など多くの国で、国家資格としても認められています。)

Dr Kate Gifford PhD ケイト先生は10年以上にわたり積極的に近視進行抑制に取り組んできた著名なオプトメトリストで、広く近視研究および診療現場での世界的エキスパートであると認められています。

Dr Paul Gifford PhD ポール先生(医学博士)はオーストラリアのニューサウスウェールズ大学で非常勤講師も務めるコンタクトレンズの研究者です。近視進行抑制の目的で使用するコンタクトレンズも研究対象です。

株式会社メニコンの協力により、当ウェブサイトを日本語に翻訳いたしました。